1昨日のことになりますが、久方ぶりにジャズコンサートを聴きに行ってきました。
先日フルート演奏会の記事を書きましたが、その件(くだん)のK君がその演奏会のことを教えてくれたからです。
もちろん、そのK君と二人で行きました。
詳細は下記の通りでありました。
日程:8月1日
会場:北見芸術文化ホール音楽専用ホール
開場:18:00
開演:18:30
出演: 椎名豊(ピアノ)、ティム・アマコスト(サックス)、広瀬潤次(ドラムス)、
本川悠平(ベース)、北見ジュニア・ジャズ・オーケストラ
その演奏会は、一風変わった始まり方をしました。
なにかのトラブルだったのか、開始が遅れました。
ふつうのコンサートであれば、まずは挨拶代わりの一曲で始まるわけです。
しかし、おどろいたことに舞台に出てきたのは、メインプレーヤーの椎名豊さんただ一人。
そうして、突然始まった話が経過報告でした。
私は、申し訳ありませんがそれまでは椎名豊さんを知りませんでしたし、北見ジュニア・ジャズ・オーケストラのことも知りませんでしたし、それまでの経緯というようなものも知りませんでした。
だた、演奏を聴きたくて会場に足を運んだ一観客に過ぎません。
ですから、いったいこれはどういうことだろうと、正直戸惑ってしまいました。
その話の内容というのは、いろいろの経緯から予定していたこのコンサートが開催できなく成るかもしれない危機に立ち至ったこと。
しかし、多くの方々の善意と、協力によって、今日のこのコンサートが開催できたということ。
細かいことは分かりませんでしたがそのような内容ではなかったかと思います。
そうして、その感謝の気持ちを椎名さんは伝えたかったのだと思います。
ですから、このようにして開催することが出来たコンサートを、ぜひ皆さん心から楽しんで、帰っていっていただきたい、という言葉で話が括られました。
また、北見ジュニア・ジャズ・オーケストラは中・高生のメンバーで構成されているそうですが、短い間にすごく上達したこと。
いまでは、その年代のレベルをはるかに超える演奏になっているので、ぜひ楽しみにして欲しいという言葉も添えられていました。
前半の部は、椎名豊トリオ+ティム・アマコスト
後半は、北見ジュニア・ジャズ・オーケストラが加わったビッグバンド演奏でした。
人生には、風景というものがあります、出会い、別れ、喜び、悲しみ、怒り、苦しみ、静寂、慰め。
どのような、音楽でもこのような風景を感じさせてくれます。
しかし、私の個人の嗜好かもしれませんが、このような風景を深く豊かに表現する魅力がジャズにはあると思っています。
とくに、楽しい音楽といえば、ジャズのビッグバンド演奏の右に出るものはない、と私はそう思っています。
演奏は、前半、後半とも、素晴らしかった。
とても楽しいひとときを過ごさせていただきました。
アンコールの曲では、全員がアドリブ(=インプロビゼイション)演奏を披露しました。
椎名さんの話では、入団間もない北見ジュニア・ジャズ・オーケストラのメンバーも居ますが、なんとかアドリブの音を取れるようになったとのことです。
そのようなわけですから、私はその最後の曲の若い人のアドリブ演奏では、ハラハラドキドキして聞いておりました。
忌憚の無い意見を言わせてもらえば、本当にはばたきを覚えたばかりの、小鳥というようなところでありました。
しかし、それは時が解決してくれると思います。
やがて、その若い人たちは、力強い翼で大空に飛び立っていくと私は信じています。
演奏会が終わった後は、二人でお気に入りの居酒屋で一杯ということになりました。
いつものことで、夏の夜、喉にしみいる、生ビールでありました。
椎名豊トリオ、ティム・アマコストは演奏ばかりではなく、人のつながりというか、何か心の暖かさを感じさせてくれて、その余韻がほのぼのと残っておりました。
そこで私は、K君に云いました「今日は、最高の贅沢を経験したね」
なぜなら、今日の二人はおそらくどんな大富豪よりも幸せな時間を、過ごすことが出来たと思うからであります。
居酒屋屋を出たとき、暗い夜のなかに浮かぶ、飲み屋街の灯りがなんとも云えない風情を感じさせる。
もちろん、二人は次の店に向かいました。